「急な場面で困る!喪服や礼服に生じたカビへの対処法と予防策を専門家が解説」
2024/03/29
こんにちは!カビバスターズ岐阜の佐藤です。
いつもカビバスターズ岐阜のブログをご覧いただきありがとうございます。
「急な場面で困る!喪服や礼服に生じたカビへの対処法と予防策を専門家が解説」
「急な用事で必要なのに、喪服や礼服にカビが…!」こんな経験ありませんか?
喪服や礼服は急な場面で必要になることがありますが、カビが発生していると困りますよね。
クリーニングに出す時間がない場合、自宅でのカビ取りも検討されるでしょう。
しかし、喪服や礼服の素材は繊細なため、自宅で完全にカビを取り除くのは難しいです。
この記事では、喪服や礼服に生じたカビへの応急処置や、カビの原因、そして将来のカビ対策について詳しく解説します。
喪服や礼服を大切に扱い、カビから守るための知識を身につけましょう。
目次
1.喪服のカビ取りでよくある間違いとNGな方法
2.【絹(シルク)】喪服のカビの応急処置法
2-1.事前の準備
2-2.カビ取りの手順
3.【ポリエステル・ウールなど】喪服のカビの応急処置法
3-1.準備作業
3-2.カビ取りのステップ
4.着用後の喪服はクリーニングに出して徹底的にカビ除去
4-1.地元のクリーニング店
4-2.宅配クリーニングサービス
5.喪服にカビが生じる原因:湿気と栄養
5-1.保管時の汚れ
5-2.ビニールカバーの使用
5-3.収納場所の問題
6.喪服のカビ対策:5つの方法
6-1.着用しない時はクリーニング
6-2.ビニールカバーを外して保管
6-3.換気と除湿剤の活用
6-4.クローゼットの適切な収納
6-5.定期的な掃除でカビの栄養源を断つ
7.まとめ
1.喪服のカビ取りでよくある間違いとNGな方法
急な喪服の着用が必要な場面で、カビが発生していることに気付くと焦りますが、間違ったカビ取り方法を選択すると喪服が傷んでしまう可能性があります。
間違いやすいカビ取り方法を知っておきましょう。以下はその例です。
濡れたタオルで拭く:服の汚れを拭き取る際に濡れたタオルを使用することが一般的ですが、カビを拭き取る際も同じ方法を取ることがあります。しかし、濡れたタオルで拭くと、カビを繊維の奥に染み込ませてしまい、除去が難しくなります。また、カビは水分を好むため、これにより繁殖を促進する可能性もあります。
漂白剤を使用する:喪服の多くは洗濯ができず、漂白剤の使用も許可されていないことがあります。漂白剤が使用できない喪服に漂白剤を使用すると、生地が傷み、色落ちや変色が起きる可能性があります。これにより、カビを除去できたとしても、喪服が着用不可能になる可能性があります。
消毒用エタノールで除菌する(絹素材の場合):カビはアルコールに弱いため、消毒用エタノールを使用してカビを除去しようとすることがあります。しかし、絹素材の喪服ではこの方法は適切ではありません。絹素材は非常に繊細で水にも弱く、エタノールの使用により色落ちや変色が生じ、生地が傷む可能性があります。特に注意が必要です。
2.【絹(シルク)】喪服のカビの応急処置法
1.喪服のカビ取りでよくある間違いとNGな方法にて紹介しましたが、絹の喪服は非常にデリケートな素材です。
消毒用エタノールなどカビに効果があるアイテムが使用できないため、できることは表面の白カビを取り除いて目立たなくする程度にとどめることです。
2-1.事前の準備
・着物用ハンガー
・布 ・マスク
・使い捨てゴム手袋
カビを取り除く作業中は、マスクとゴム手袋を着用してください。
布は古いハンカチや切れ端など、使用後に捨てられるものが適しています。
また、マスクやゴム手袋もカビが付着する可能性があるため、使い捨てのものを選ぶことをおすすめします。
2-2.カビ取りの手順
白カビは飛散しやすいので、カビ取り作業はベランダや庭などの屋外で行うのが望ましいです。
もし屋外での作業が難しい場合は、クローゼットなどの換気ができる部屋で行うようにしましょう。
① 喪服をハンガーにかけて物干し竿に吊るします。周囲にはカビが移ると困るものを置かないようにしましょう。
② 乾いた布でカビの部分を軽く払い落とします。強く払うとカビが繊維の奥に入り込んでしまう恐れがあるので、注意してください。
③ 風通しの良い日陰に着物を干して陰干しを行います。喪服の湿気を完全に取り除くために、数時間ほど干すようにしましょう。
3.【ポリエステル・ウールなど】喪服のカビの応急処置法
ポリエステルやウールなどの素材の場合は、消毒用エタノールを使ってカビ取りを行います。
3-1.準備作業
カビ取りに必要なアイテムは、消毒用エタノール、ハンガー、布、マスク、ゴム手袋です。消毒用エタノール以外は、絹の喪服の場合とほぼ同じです。
作業中は必ずマスクとゴム手袋を着用しましょう。また、使用後は使い捨て可能な古いハンカチや布切れを用意しておきましょう。
3-2.カビ取りのステップ
白カビが飛散する恐れがあるため、できるだけ屋外で作業しましょう。
もし屋外での作業が難しい場合は、クローゼットなどを閉め、しっかり換気してください。
① 喪服を物干し竿に吊るす
喪服をハンガーにかけ、屋外の物干し竿に吊るします。周囲にはカビが移ると困るものを置かないようにしましょう。
② 布でカビを払う
乾いた布でカビの部分を軽く払って落とします。強く払うと繊維の奥にカビが入り込む可能性があるため、軽く行いましょう。
③ 消毒用エタノールでカビを除去する
布に消毒用エタノールを含ませて、カビの部分をポンポンと叩くようにして除去します。擦ると繊維にカビが入り込む恐れがあるため、注意してください。
④ 陰干しする
風通しの良い日陰に喪服を干します。消毒用エタノールが完全に乾くまで、数時間程度干してください。
4.着用後の喪服はクリーニングに出して徹底的にカビ除去
喪服を着用した後は、クリーニングに出すことが重要です。
クローゼットにしまったままだと、残っているカビが再び繁殖し、他の服にも広がる可能性があります。
他の衣類やクローゼットを守るためにも、クリーニングでカビを根絶しましょう。
クリーニングには、近隣の店舗への持ち込みだけでなく、宅配クリーニングも利用できます。
それぞれの利点と欠点を考慮して、適切な業者を選びましょう。
4-1.地元のクリーニング店
近所のクリーニング店にカビが生えた服を出す際の利点と欠点は次の通りです。
利点
・直接相談できる:実物を見ながら要望を伝えることができます。
・仕上がりを確認できる:対面でクリーニングの仕上がりを確認できます。
欠点
・技術力の差がある:店舗によってクリーニングの技術力に差があります。
・判断基準が少ない:口コミや評判などの情報が限られています。
・カビの知識が不足している可能性がある:一部の店舗ではカビの除去方法に関する知識が不十分かもしれません。
店舗でのクリーニングの利点は、直接相談できることです。
しかし、技術力の違いや情報の不足などのデメリットもあります。
確実にカビを除去してくれる信頼できるクリーニング店を選ぶことが大切です。
4-2.宅配クリーニングサービス
宅配クリーニングにカビが生えた服を送る際の利点と欠点は次の通りです。
利点
・店舗までの持ち運びが不要:服を段ボールに詰めて送るだけで済みます。
・営業時間に制限されない:自分のスケジュールに合わせて手続きができます。
・複数の業者から選択可能:全国の業者から選ぶことができます。
・口コミや評判が参考になる:ネットで口コミなどの情報が得られるため、業者選びが容易です。
欠点
・直接相談できない:対面で要望を伝えることができません。
・技術力の差がある:業者によってクリーニングの技術力に差があります。
・カビの除去方法に関する知識が不足している可能性がある:一部の業者ではカビの知識が不足している場合があります。
宅配クリーニングの利点は、持ち運びの手間がなく、営業時間に制約されないことです。
しかし、直接相談ができないため要望の伝達が難しく、技術力やカビの除去方法に関する知識の差もあります。
信頼できる業者を選ぶことが重要です。
5.喪服にカビが生じる原因:湿気と栄養
クリーニングでカビを徹底的に除去した後は、再発を防ぐために対策を講じる必要があります。
そのためには、なぜカビが発生するのかその原因を理解することが不可欠です。
カビは特定の条件が揃った場所で発生しやすい傾向があります。
それは、湿度が60%以上であり、温度が20℃〜30℃の範囲内であること、さらに埃や皮脂などの栄養分があること、そして酸素があることです。
湿度が60%を超えるとカビが活動し始め、70%を超えると数ヶ月で、80%を超えると数週間で発生します。言い換えれば、湿度が高いほどカビの繁殖速度が加速します。
また、カビは埃や虫の死骸、人間の皮脂などの栄養源が必要です。したがって、湿度の高い場所に汚れた衣服があると、カビが発生しやすくなります。
では、喪服にカビが発生する原因として考えられる状況は何でしょうか。
5-1.保管時の汚れ
喪服は着用中に食事をすることもありますから、着用後には食べカスや人間の汗、皮脂、そして埃などが付着することがよくあります。
このような状態でクリーニングに出さずに放置しておくと、喪服にはカビの栄養源となる物質が付着し続けます。
そして、湿度の高い場所に保管されたり、着用頻度が少なく長期間放置されると、カビが繁殖しやすい環境が整います。
喪服は着用頻度が少なく、場合によっては数年も放置されることもあります。
そのような状況下では、知らないうちにカビが繁殖してしまい、気付いた時には喪服が白カビで真っ白に覆われていることも考えられます。
5-2.ビニールカバーの使用
喪服をクリーニングに出した後でも、誤った保管方法はカビの発生を招きます。
多くの人が陥りがちなのが、クリーニングから戻ってきた喪服をビニールカバーのままクローゼットに収納する方法です。
ビニールカバーは埃や傷から服を守ってくれると考えられがちですが、実際には通気性が悪くなります。
クローゼット自体が湿度が高くなりやすい場所ですが、ビニールカバーの中では湿気がこもりやすくなります。
このような状況では、カビが繁殖しやすい高湿度の環境を作り出してしまいます。
5-3.収納場所の問題
クローゼットは通常、閉め切られた空間であり、そのため通気性が悪く湿気がこもりやすい場所です。
しかし、すべてのクローゼットがカビになるわけではありません。家の環境や立地によって、湿気がこもりやすいクローゼットとそうでないクローゼットがあります。
弊社はこれまで多くのカビ現場を調査してきましたが、特に湿気がこもりやすいと感じたクローゼットは次のような条件に当てはまるものでした。
・3階以下の低層階
・北側の部屋
・浴室などに近い
例えば、3階以下の低層階は地面の湿気の影響を受けやすく、北側の部屋は日当たりが悪いため湿度が上がりやすくなります。
そのため、これらの条件に当てはまる部屋にあるクローゼットは湿気がこもりやすい傾向にあります。
また、お風呂場や洗面所の裏側にあるクローゼットも同様で、湿気が流れ込んで湿度が高くなります。
さらに、クローゼットは物が収納される場所であり、部屋よりも掃除が行き届かない傾向にあります。
その結果、埃や虫の死骸などが蓄積され、カビの繁殖に適した環境が整いやすくなります。
これらの理由から、クローゼットにカビが発生し、収納されている服にもカビが移る可能性があるのです。
6.喪服のカビ対策:5つの方法
カビは湿度、温度、栄養源、酸素の4つの条件が揃った場所でのみ繁殖するため、これらの条件のうちどれか1つでも欠けていればカビは発生しません。
酸素を除去することは不可能であり、温度を人間が快適に生活できる範囲で調整することも難しいです。
そのため、カビ対策で重要なのは、「湿度の管理」と「栄養源の排除」です。喪服をカビから保護するための5つの対策は次の通りです。
1.長期間着用しない場合はクリーニングに出す。
2.ビニールカバーを取り除いて保管する。
3.換気や除湿剤を使って湿気を取り除く。
4.クローゼットに服を詰め込みすぎない。
5.定期的に清掃を行い、カビの栄養源を断つ。
6-1.着用しない時はクリーニング
喪服は直接肌に触れるため、汗や皮脂が付着しやすく、また食事をする際には食べカスも付着することがあります。
そのままクローゼットに戻すと、湿気と栄養がクローゼットに取り込まれることになります。
着用後は基本的にクリーニングに出してからクローゼットに戻すことをお勧めします。
しかし、法事が連続して行われる場合、毎回クリーニングに出すのは手間や費用がかかります。
そのような場合は、着用後に喪服を外に干して半日程度水分を飛ばし、同時に汚れを取り除くことでカビの発生を抑えることができます。
そして、しばらく喪服を着用する予定がなくなったら、クリーニングに出すようにしましょう。
6-2.ビニールカバーを外して保管
クリーニングから帰ってきた喪服は、通常ビニールカバーで包まれています。
しかし、ビニールカバーをそのままにしてしまうと通気性が悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
そのため、クリーニング後はビニールカバーを外してからクローゼットに戻すようにしましょう。
もし喪服を埃や傷から守りたい場合は、通気性の高い不織布カバーなどを使用することをお勧めします。
例えば、衣類カバー ホワイト マチ付き ロングサイズなどがあります。
このようなカバーは埃を通しにくい生地でありながらも、通気性が良いため、湿気がこもりにくくカビの発生を防ぐことができます。
6-3.換気と除湿剤の活用
喪服をしまっているクローゼットが湿気をためやすい場合は、湿気を取り除く対策を行いましょう。
まずは換気を行い、クローゼットの空気を入れ替えることが重要です。湿度の高い日に換気を行うと、新たに取り込む空気も湿っているため、晴れた日に行うことをお勧めします。
湿度の高い日に換気する場合は、エアコンの除湿機能を活用すると効果的です。さらに、サーキュレーターや扇風機をクローゼットに向けて回すことで、空気の循環を促進し、効率的な換気ができます。
また、クローゼットの湿気を取り除くためには、除湿剤を使用することも有効です。クローゼット全体の除湿には置き型の除湿剤を、喪服だけに重点的に除湿したい場合は吊り下げ型の除湿剤を使用しましょう。
除湿剤は湿気を吸収し、水が溜まっていくと限界が来るため、効果がなくなったらすぐに交換することが大切です。
例えば、置き型の除湿剤としては、addgood(アドグッド) SUPER除湿でかでかがあります。大容量の800mlで交換頻度が少なくて済むのが特徴です。
また、吊り下げ型の除湿剤としては、Vacplus 乾燥除湿パックがあります。コンパクトながらも最大除湿量は500mlで、吸湿量が目に見えて分かるので交換のタイミングも分かりやすいです。
6-4.クローゼットの適切な収納
収納スペースが限られている場合や物が多い場合、ついついクローゼットをいっぱいに詰め込んでしまうことがありますね。
しかし、物が詰まっているクローゼットは通気性が悪く、空気が滞留してしまいます。
このような状況では、埃などが溜まりやすくなり、そこにカビの胞子が付着して繁殖してしまいます。
また、通気性が悪いと、クローゼットを開けて換気しても湿気を逃がすことができず、クローゼット内の湿度が高い状態が持続します。
これらの理由から、物が詰め込まれたクローゼットはカビが繁殖しやすい環境となります。
カビの発生を防ぐためには、クローゼット内に隙間を作ることが重要です。
不要なものを整理して処分し、クローゼットの収納スペースに余裕を持たせることで、通気性の良い環境を作り上げることが大切です。
6-5.定期的な掃除でカビの栄養源を断つ
クローゼットは掃除していないと、埃や虫の死骸などが溜まり、これらがカビの栄養源となります。
カビの繁殖を防ぐためには、定期的に掃除をすることが重要ですが、クローゼット内には物が多くて掃除するのが大変ですよね。
そこでおすすめなのが、キャリー付きの収納ケースを利用して、物を取り出しやすくすることです。
これにより、掃除の手間を大幅に軽減できます。
掃除は掃除機をかけたり、拭き掃除をしたりして行います。
カビはアルコールが苦手なので、掃除の最後に消毒用エタノールを使うのも効果的です。
ただし、その際はクローゼット内の湿度が上がっている可能性があるため、しっかりと乾燥させてから物を戻すようにしてください。
7.まとめ
今回は、喪服や礼服に発生したカビに対する緊急処置方法を中心に解説しました。
絹(シルク)製の場合は、繊細な素材なので布で優しくカビを払い除去します。
一方、ポリエステルやウールなどの素材では、白カビを払った後に消毒用エタノールを使ってカビを死滅させます。
ただし、カビは頑固な生物ですので、応急処置だけでは完全に死滅していない可能性が高いです。
そのため、着用後はクリーニングに出してカビを徹底的に除去しましょう。
また、クリーニングでカビを取り除いても、再発を防ぐために保管環境を改善することが重要です。
喪服をカビから守るためには、以下の5つの対策を行いましょう。
1.長期間着用しない場合はクリーニングに出す。
2.ビニールカバーを取り除いて保管する。
3.換気や除湿剤を使って湿気を取り除く。
4.クローゼットに服を詰め込みすぎない。
5.定期的に清掃を行い、カビの栄養源を断つ。
喪服は高価な衣類の一つであり、カビが発生すると困ることがあります。
ですから、しっかりとカビ対策を行い、大切な喪服を守りましょう。
カビバスターズ岐阜の佐藤でした。
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カビバスターズ岐阜
岐阜県多治見市滝呂町16-121-7
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