貴重な蔵書を守る!図書館のカビ対策を専門家が解説
2024/04/30
こんにちは!カビバスターズ岐阜の佐藤です。
いつもカビバスターズ岐阜のブログをご覧いただきありがとうございます。
貴重な蔵書を守る!図書館のカビ対策を専門家が解説
「図書館でカビが見つかった!蔵書に被害が及ぶ前に対処したい」
「地下書庫に保管している大量の書籍にカビが発生してしまった」
図書館は貴重な蔵書を収蔵する場所であり、常に清潔を保ちたいところです。
しかし、図書館の奥は日光が差し込みにくく、湿気が溜まりやすい環境にあります。
さらに、多くの人が出入りするため、本や書架に汚れが蓄積しやすいのも事実です。
こうした状況下では、カビが生えやすく、いつの間にか壁や書架にカビが広がってしまうこともあります。
カビは時間とともに繁殖し、蔵書にも被害を及ぼす可能性があります。
そうした事態を避けるためには、しっかりとカビ対策を行うことが重要です。
そこで今回は、図書館でのカビ発生の原因や対策について詳しく解説します。
また、カビが発生した場合の対処方法も併せて紹介しますので、図書館で働く皆さんはぜひ参考にしてください。
この記事では、以下のことがわかります。
・図書館でカビが発生した場合の影響
・図書館でカビが生える原因について
・図書館のカビ対策についての解説
・カビが図書館や蔵書に生えた場合の対処方法
【目次】
1.図書館でのカビ発生の影響
1-1. 蔵書の損傷と影響
1-2. 利用者やスタッフの健康被害のリスク
2.図書館でのカビ発生の原因
2-1. 高湿度の環境によるカビ発生
2-2. 不十分な掃除によるカビの発生
2-3. 蔵書に付着した汚れや湿気によるカビの繁殖
3.図書館のカビ対策6つの方法
3-1. 定期的な換気と湿度の管理を行う
3-2. 頻繁な掃除や除菌を行う
3-3. カビの胞子や汚れを持ち込まないように注意する
3-4. カビを早期に発見できる環境を整える
3-5. 蔵書は通気性の良い場所に保管する
3-6. 職員や利用者に協力を呼びかける
4.図書館建物のカビ対処方法
4-1. 重度のカビ発生時は専門業者に対応してもらう
5.蔵書にカビが生えた場合の対処法
5-1. カビ取りを自力で対処するならエタノールを使用
6.まとめ
1.図書館でのカビ発生の影響
カビは常に空気中に存在し、人間が居住する場所でも発生する可能性があります。
図書館の壁や本棚などにカビが発生すると、蔵書の損傷や利用者やスタッフの健康被害が懸念されます。
カビが繁殖してしまった場合、図書館の利用者が健康被害を被る可能性や蔵書が損傷するリスクがあります。
また、カビが広がると図書館のイメージや信頼性にも影響を及ぼすことが考えられます。そのため、早期の発見と適切な対処が重要です。
1-1. 蔵書の損傷と影響
カビの繁殖は、蔵書に深刻な損傷をもたらす可能性があります。
本の表紙や装丁にカビが発生すると、見た目が損なわれるだけでなく、変色や斑点が現れることもあります。
さらに、カビの菌糸が本のページに付着すると、ページが黄ばみや茶色に変色し、シミや斑点が現れる可能性があります。
また、カビが印刷面にまで広がると、文字や図版が不鮮明になることが考えられます。
これによって本の内容が読み取りにくくなるだけでなく、ページが脆くなり、破れやすくもなります。
貴重な書籍や高価な書籍がカビによって損傷を受けた場合、その損失は相当なものになる可能性があります。
すぐに入手できる本であれば新しいものを購入することもできますが、貴重な書籍や希少な書籍の場合は、代替が困難であり、損失は計り知れません。
1-2. 利用者やスタッフの健康被害のリスク
図書館でカビが発生すると、利用者や職員の健康に影響を及ぼす恐れがあります。
カビは微小な胞子を放出し、これを吸入することで健康被害が発生する可能性があります。
例えば、カビの胞子に敏感な人は、くしゃみや鼻水、目のかゆみ、咳、呼吸困難などのアレルギー症状が現れることがあります。
これは、カビが放出する物質が免疫系の反応を引き起こすためです。
また、カビによって引き起こされるアレルギー反応や毒性物質の影響により、呼吸器系に問題が生じる可能性もあります。
特に免疫力の低下した人や既に呼吸器系の疾患を抱えている人は、カビの影響をより強く受ける可能性があります。
したがって、利用者や職員の健康を守るためには、清潔でカビのない環境を維持することが重要です。
2.図書館でのカビ発生の原因
カビの胞子は常に空気中に漂っており、適した環境に付着すると繁殖します。
カビが繁殖しやすい環境とは、特定の条件が揃った場所のことです。
湿度
カビは高湿度の環境で特に繁殖しやすく、湿度が60%以上の状態で活発に成長します。高湿度の環境では水分が表面に凝結し、カビの生育に適した状態になります。
温度
一般的にカビは温暖な環境を好みます。20〜30℃の範囲が最適ですが、0〜40℃の間でも生育が可能です。
栄養源
カビは有機物を栄養源として利用します。図書館には本や紙、布装丁、インクなど、カビの成長に適した有機物が豊富に含まれています。
酸素
カビは酸素を必要とします。
図書館では、これらの条件が揃いやすく、特に古い蔵書や湿度管理が不十分な場所ではカビの繁殖が起こりやすくなります。
2-1. 高湿度の環境によるカビ発生
カビは湿った場所や高湿度の環境を好みます。
図書館は多くの人が出入りする場所であり、人々の呼気や発散する水蒸気が室内の湿度を上昇させる要因となります。
また、雨の日や濡れた服や靴を持って入る人々によって外部から湿気が侵入することも考えられます。
図書館は大量の本が保管される場所であり、通気性が悪くなりやすいため、空気が滞留しやすくなっています。
このような環境では、カビの発生リスクが高まります。
2-2. 不十分な掃除によるカビの発生
図書館では、多くの本が収蔵されており、本棚には密集して配置されています。
そのため、本棚の掃除は煩雑で手間がかかります。
高い本棚の掃除にははしごが必要であり、奥の方は見えにくいため、汚れが見落とされることもあります。
加えて、掃除の手が行き届かない可能性もあります。
図書館は掃除が行き届きにくいという問題を抱えており、このために汚れが蓄積し、カビが発生するリスクが高まってしまうのです。
2-3. 蔵書に付着した汚れや湿気によるカビの繁殖
図書館の蔵書は頻繁に利用者や職員の手に触れます。
この際、指の脂や皮脂、汗、埃などの微細な汚れが本の表面に付着します。
さらに、読書中に食べカスや飲み物をこぼすこともあるでしょう。
これらの有機物はカビの栄養源となり、カビの繁殖を促進します。
カビは徐々に繁殖するため、1冊の本に生えたカビは周囲の他の本にも広がる可能性があります。
その結果、たった1冊の本から始まって、一気に大量の蔵書にカビが広がることもあり得ます。
3.図書館のカビ対策6つの方法
カビが発生した後の除去は困難なので、予防策を講じることが不可欠です。
先に述べたように、湿度、温度、栄養源、酸素の4つがカビの発生に重要な要素です。
これらの条件の一部を排除することで、カビのリスクを軽減できます。
以下に紹介する対策を実践することで、カビの発生条件を減らしましょう。
・定期的な換気と湿度の管理を行う
・頻繁な掃除や除菌を行う
・カビの胞子や汚れを持ち込まないように注意する
・カビを早期に発見できる環境を整える
・蔵書は通気性の良い場所に保管する
・職員や利用者に協力を呼びかける
これらの対策を実践すれば、図書館でのカビの発生リスクを大幅に低減できます。
3-1. 定期的な換気と湿度の管理を行う
図書館においても、カビ対策には換気と湿度管理が欠かせません。
まず、定期的に窓を開けて換気を行いましょう。
室内の湿気を外に排出し、新鮮な空気を取り入れることで、カビの発生を防ぐことができます。
窓を複数箇所開けて、室内の空気を循環させるのが効果的です。
さらに、湿度管理も重要です。カビは湿度が高いほど繁殖しやすくなりますので、湿度を60%以下に保つことが重要です。
湿度計を使用して常に湿度をモニタリングし、60%を超えた場合には除湿を行うようにしましょう。
3-2. 頻繁な掃除や除菌を行う
掃除を怠ると、埃や汚れがたまり、それがカビの栄養源となってしまいます。
そのため定期的な掃除が必要です。
毎日掃除機をかけ、利用者が触れる机や椅子、カウンターなどはきちんと拭き掃除を行いましょう。
カビはアルコールに弱いため、消毒用エタノールなどで除菌するのが有効です。
また、蔵書を守るためには、本棚の周りや蔵書を清潔に保つことが大切です。
乾いた布で拭くなどして、カビの栄養源となるものを取り除きましょう。
さらに、エアコンや空気清浄機の掃除も忘れずに行いましょう。
エアコン内部にカビが発生すると、図書館中にカビの胞子がばら撒かれる可能性があります。
定期的なフィルター掃除や業者によるメンテナンスが必要です。
3-3. カビの胞子や汚れを持ち込まないように注意する
掃除は重要ですが、カビの胞子や汚れを持ち込みにくくすることも効果的です。
例えば、図書館の出入り口で靴を脱ぐようにすると、靴に付着した汚れやカビの胞子を持ち込むことが防げます。
もし土足厳禁が難しい場合は、入口や出入り口にマットを敷くだけでも効果があります。
これにより、靴底に付着した汚れやカビの胞子がマットに取り込まれ、図書館内に持ち込まれるリスクが低減します。
3-4. カビを早期に発見できる環境を整える
湿度が高い環境ではカビが急速に成長し、迅速に拡散してしまいます。
そのため、カビが発見されるまで時間が経過すると、除去がより困難になります。
自力で対処できなくなるケースもあるかもしれません。
このような状況を避けるためには、カビを早期に発見できる環境を整えることが肝要です。
たとえば、本棚の裏や隙間など、普段目につきにくい場所の掃除日を定期的に設定することで、カビの早期発見が可能になります。
また、利用者がカビを見つけた場合に報告しやすい仕組みを整えることも重要です。
初期段階のカビ除去は比較的容易なので、素早く発見できるよう心がけましょう。
3-5. 蔵書は通気性の良い場所に保管する
通気性の悪い場所では湿気がこもりやすく、特に地下書庫や建物の奥のような日の当たらない場所は湿気が溜まりやすい傾向があります。
その結果、カビの発生リスクが高まります。
スペースの制約などがあるかもしれませんが、特に貴重な本はこれらの場所に保管しないように注意しましょう。
可能な場合は、本棚の隙間を広げたり、風通しの良い本棚を選んだりして、蔵書に湿気がこもらないように工夫してください。
3-6. 職員や利用者に協力を呼びかける
カビ対策には、掃除や湿度管理など、継続的な取り組みが必要です。
そのため、図書館の職員への教育や利用者への協力が重要です。
職員はカビの発生リスクや対策方法について正しい知識を持つ必要があります。
適切な教育を受けた職員は、蔵書や図書館内の環境を適切に管理し、早期にカビの兆候に気付くことができます。
これによって、図書館のカビの発生を抑制することが可能です。
また、職員の努力だけでは限界があるため、利用者にも協力を呼び掛けることが重要です。
湿った手で本を触らない、借りた本は返却場所に戻すなど、蔵書の取り扱いに注意を促すことで、蔵書のカビを防いだり、早期発見することができます。
さらに、利用者が図書館や蔵書にカビを見つけたり、カビ臭さを感じたりした場合は、職員に報告するように呼びかけることも効果的です。
職員や利用者のカビ予防意識の向上が、図書館や蔵書をカビから守る重要な要素です。
4.図書館建物のカビ対処方法
図書館でカビが発生した際の対処方法についてご紹介します。
カビが天井や壁、本棚などに広がってしまった場合、自力での対処か、専門業者に依頼するかの判断は難しいかもしれません。
迷った際には、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
□ カビの範囲が1㎡以上ある
□ 複数箇所にカビが発生している
□ 目線よりも高い位置にカビが発生している
□ 壁紙がめくれている
□ 壁紙が膨らんでいる
□ 自分でカビ取りをしても再発した
チェックリストのどれかに該当する場合、または徹底的にカビ取りや防カビを行いたい場合は、専門業者に依頼する方が安心です。
その場合は、「4-1. 重度のカビ発生時は専門業者に対応してもらう」を参考にしてください。
4-1. 重度のカビ発生時は専門業者に対応してもらう
カビ取り業者に依頼する際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
特に施設や図書館のカビ取りは大規模な作業になるため、実績豊富な業者を選ぶことが必要です。
信頼できる業者を見極めるためには、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
□ 実績豊富で経験が豊富な業者かどうかを確認する
□ カビの知識が豊富であり、専門的なアドバイスが期待できるかを確認する
□ 現地調査に来てくれる業者であるかを確認する
□ 使用するカビ取り剤についてこだわりがあり、安全性や効果を重視しているかを確認する
□ 防カビ対策にも十分な対応ができるかを確認する
□ お客様に寄り添った提案をしてくれるかを確認する
□ 料金が明確でわかりやすいかを確認する
これらの項目をチェックして、多くの項目に当てはまる業者を選ぶことで、安心してカビ取り作業を依頼することができます。
5.蔵書にカビが生えた場合の対処法
蔵書にカビが発生した場合、速やかに対処することが重要です。
カビを放置すると、その成長が拡大し、他の本にも広がる可能性があります。
しかし、蔵書のカビ取りは繊細な作業であり、専門知識や技術が必要です。
そのため、カビの除去作業はできるだけ専門家に依頼することが望ましいです。
もし自力で行う場合は、エタノールなどの除菌剤を使用してカビを死滅させることが一般的です。
ただし、紙類のカビ取りは難易度が高く、蔵書を傷つける可能性もあるため、慎重に行う必要があります。
カビの対処方法に不安がある場合は、プロのカビ取り業者に相談することをお勧めします。
5-1. カビ取りを自力で対処するならエタノールを使用
カビの除去にはエタノールが効果的ですが、使用する際には慎重さが必要です。
エタノールには濃度によって異なる種類がありますが、本のカビ取りには消毒用エタノールが適しています。
消毒用エタノールは濃度が低く、揮発性も低いため、本の紙を傷めるリスクが低いです。
ただし、表紙などのコーティングされた部分には消毒用エタノールを、中身の紙には無水エタノールを使うと良いでしょう。
また、エタノールには漂白効果はないため、カビの色素は除去されません。
カビの色素が残る場合は、美観上の問題として考慮する必要があります。
5-1-1事前準備と注意事項
用意するもの
・消毒用エタノール
・無水エタノール
・ペーパータオル
・ねりけし
・マスク
作業中は、カビの胞子を吸い込まないように、マスクを着用しましょう。
注意事項
・作業中は換気を確保しましょう。カビの胞子が飛散しやすいため、室内を十分に換気して作業しましょう。
・エタノールは引火する可能性があるため、火気の近くでの使用は避けてください。
5-1-2カビ除去の手順
① 消毒用エタノールを含ませたペーパータオルで表面を拭く 消毒用エタノールを含ませたペーパータオルを用意し、まずは目立たない場所で試してみてください。問題がなければ、ペーパータオルで表面全体を軽く押し付けるようにして拭き取ります。こまめに新しいペーパータオルに取り替えましょう。
② 無水エタノールを含ませたペーパータオルで本の中を拭く 次に、無水エタノールを含ませたペーパータオルを用意します。同様に、目立たない場所で試して問題がなければ、本の中を軽く押し付けるような感じで拭き取ります。作業中はペーパータオルをこまめに新しいものに取り替えてください。
③ ねりけしで取り切れないカビを除去する エタノールだけでは取り切れないカビが残っている場合は、ねりけしを使ってカビを除去します。
6.まとめ
今回は図書館内でのカビ対策に焦点を当ててきました。
図書館がカビに侵されると、貴重な蔵書までもが被害を受けかねません。
そのため、しっかりとした対策を講じて、カビの発生を未然に防ぐことが重要です。
以下に紹介する対策を実践することで、カビの発生条件を減らしましょう。
・定期的な換気と湿度の管理を行う
・頻繁な掃除や除菌を行う
・カビの胞子や汚れを持ち込まないように注意する
・カビを早期に発見できる環境を整える
・蔵書は通気性の良い場所に保管する
・職員や利用者に協力を呼びかける
もしもカビが発生してしまった場合は、悪化する前に早めにカビ取りを行いましょう。
初期段階であれば、自力でのカビ取りも可能な場合があります。
壁や本棚などにカビが見つかった場合は、専用のカビ取り剤を使用して除去し、蔵書にカビが発生した場合はエタノールを使って対処します。
自分では対処が難しい場合は、プロのカビ取り業者に依頼するのも一つの手段です。
この記事で、図書館のカビにお困りの皆様の悩みが解決することを切に願っております。
カビバスターズ岐阜の佐藤でした。
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